『コーチングを学ぶには』
〜コーチングを学びたいという方のために、現在コーチである水田自身が提供する情報です〜
〜はじめに〜
こんにちは。(財)生涯学習開発財団認定コーチの水田画生です。私自身がコーチングというものを知ってから、すでに5年近い歳月が流れ(2007年春現在)、当時の状況よりも遥かにコーチングという言葉が世の中に浸透してきたことを感じます。しかし一方で、実際にコーチングを学ぼうと思うときに、目の前の霧を晴らしてくれるような情報というものがいまだに少ないことも確かです。
このレポートは、主にそのような当時の私と同じような立場の方々、すなわちこれからコーチングを学んでみたいという方々に対して、現在プロのコーチである水田自身の体験と情報を共有しながら、その具体的なステップについて疑似体験していただくことを目的としています。
従って、コーチングを受けてみたい、あるいはコーチング自体をもっと詳しく知りたいという方は、まず『コーチングを受けるなら、、、プロコーチ水田画生のHP』のTOPページをご覧ください。水田自身のコーチングや基本的なコーチングの概略をなるべく分かりやすい形で説明してあります。
それから、コーチングを学んではみたいが、まだコーチングのことをよく理解できていないという方は、やはり私のHPでコーチングに関する「Q&A」のコーナーをこのレポートと一緒にお読みいただくことで、より理解が深まると思います。
また、コーチングや私自身に関する最新の情報は、私自身のブログ「リバースコーチング!〜Rebirth Coaching! 人生は螺旋階段〜」(http://rebirthcoach.blog40.fc2.com/)にてご覧いただけます。
§1 コーチングはどこで学ぶべきか、、、
コーチングを学ぶためには幾つか方法があるのですが、現在、この日本において、コーチングにおける国際的な組織である国際コーチ連盟から認定されているトレーニング機関としては、コーチ21が主催するコーチトレーニングプログラム(CTP)と、CTIジャパンが提供するコース(CTI)の2種類があります。やはり、プロのコーチを目指す、あるいは本格的にコーチングを学びたいということであれば、このどちらかの機関で地道にトレーニングを積むことが今のところ最良の選択肢となるように思います。
詳しくは、それぞれの機関のHPなどを参照していただきたいと思いますが、実際に、私自身がコーチとしてのトレーニングを受けたのはCTPでした。
CTPとCTIの違いとしては、CTPが主にブリッジと呼ばれる電話会議システムを使用するという点がまず真っ先に挙げられます。これはコーチングというものが電話を使用して行われることが多いということを考えた場合、ある意味、理にかなっているともいえます。CTPでは必要に応じた集合研修プログラムも用意されていますが、基本的には36過程144時間のオンラインクラスで構成されており、それを1ヶ月間で最大2単位まで取ることができます。36過程終了までの有効期限は3年間、最短での終了は1年7ヶ月です。
資格としては、コーチとしての実績とペーパーテストに合格することにより、(財)生涯学習開発財団認定コーチ(さらに段階的にプロフェッショナル、マスターという認定制度もあります)を取得することができます。現在の費用(07年1月現在)は、トレーニングプログラムを受講する場合で577、500円。他に資格を取るための受験費用や、集合研修(無料のものもあり)、あるいは特別プログラムなどに参加する際にも費用が別途かかります。
CTIジャパンについては、基礎コースと応用コースが集合セミナーで構成されており、CTI自体、そのプログラムを体験した人々から高く評価されることが多いプログラムです。
ただしCTIの場合、その開催場所や日時、人数などの制限がCTPに比べると多くなります。資格については、応用コース以降にさらに資格コースを受講することと、コーチとしての実績、CTIの実施する口頭及び筆記の試験に合格することで認定資格CPCCを取得することができます。費用については07年の1月時点で基礎コース(2.5日)8万円、応用コース(3日)10.5万円、資格コース(約9ヶ月)48万円。他に資格試験の受験費用などが別途でかかります。
また、CTPは04年ごろからそれまでのテキストを一新し、ビジネスコーチング的な指向をより強めています。ツールが豊富であることはCTPの特徴といってもよく、理論とスキルで構成された36過程を終えることで、ビジネスコーチとしての大まかな視点を備えることができます。一方、CTIはコーアクティブ・コーチング(Co-Active Coaching=協働的なコーチング)を標榜し、より人そのものに寄り添っていくというコーチングを指向しているように見受けられます。
現在、この2つのトレーニング機関がそれぞれの方向性を備えていることは、個人的にとても良いことだと感じており、これからコーチングのトレーニングを開始しようという方は、あなた自身のスケジュールやコーチングの方向性、また双方のプログラムの持つ特徴をよく把握することが大切です。
また、国際的な認知度やポピュラーな資格の取得を考えない場合であれば、このプログラム以外にも優れたものが提供されている可能性はもちろんあります。しかし、どちらにしても、コーチとしての本当の「耳」を備えるためには、コーチングの実践経験が最低2年程度は必要なのではないかというのが今現在の私自身の実感でもあります。そして、これは私だけでなく、他の多くのコーチ達の間で共有されている感覚でもあります。
すなわち資格とは、あくまでも目安であり、コーチとしての実力を示す確実な指標にはなり得ません。もし、あなたがプロのコーチを目指すのであれば、資格の先にあるもの、つまり「本物のコーチであること」を目指すということになります。
この辺りの部分、つまりコーチングを学ぶことで「対人関係における能力を高めたい」のか、それとも「資格を取りたい」のか、あるいは真の意味での「プロのコーチを目指す」のか、さらには「最上のコーチ」なのか・・・。このような学ぶということに対する最終的なゴールをどこに据えるのかということは、とても大事なポイントになりますし、今後のモチベーションを左右する大きな鍵となります。
(財)生涯学習開発財団認定コーチ
水田画生(Mizuta Kakutaka)
Copyright(C) Kakutaka Mizuta All Rights Reserved.
〜このコンテンツの内容〜
§1.コーチングはどこで学ぶべきか、、、
…コーチングを学ぶための機関の紹介と実際的な情報について取り上げます。
§2.コーチをつける 〜その3つの利点〜
…コーチングを学ぶ上で、コーチをつけるということの重要性とその利点。
§3.コーチングをする
…コーチングのトレーニングを受けながらコーチングをするということ。
§4.コーチの素養とは
…コーチを目指す上でのコーチの素養というものを考察する。
§5.コーチングをどのように学び続けるか、、
…高い目的意識を保ちながら、コーチングを学び続けるためのポイント。
§2 コーチをつける 〜その3つの利点〜
さて、トレーニング機関の次に触れることは、あなた自身が実際にコーチをつけるということについてです。
少なくとも、CTPで認定資格を取るためには、あなた自身がコーチをつけている必要があるということもありますが、それだけでなく、コーチを目指す人間にとっては、普通のクライアント以上に、コーチをつけることで見えてくる世界というものがあります。
つまりは、コーチをつけることで初めて「本物のコーチ」に近づくということです。
以下、3つのポイントで、そのことを見ていきたいと思います。
まず1点目としては、コーチングを施すコーチ自身が、コーチングの効果というものを体感することで、クライアントに対してコーチングの品質保証をするということが挙げられます。つまり、あなた自身が身を持って良いということを知ったからこそ、クライアントに対しても自信を持って“コーチングを販売する”ことができるわけです。
さらにコーチングは「鏡」というメタファーがよく用いられるとおり、コーチングを通して自分の姿を映し出すことで、自分のなかに気づきを促していくという特質があります。理論的にコーチングというものを理解していけばしていくほど、自分自身にコーチをつけない状態で他者をコーチングすることは、ナンセンスだと感じられるようになります。
2点目として、コーチをする人間がクライアントという立場を体験することで、クライアントの心理状態を理解しやすくなるということが挙げられます。これは、ある意味もっとも大切なポイントでもあります。すなわち、クライアントとして自分がコーチングに関わることで、「コーチにこういう態度を取られたら嫌だな」、「自分なら、コーチにこう接して欲しい」ということを肌で感じることができるからです。このことは、あなたのコーチング技術やプレゼンスに大きな進歩をもたらします。
この相手の視点からものを見るということは、実際のコーチングにおいてもとても大切な部分です。
最後のポイントとしては、あなたのコーチ自身が、あなたのコーチングやコーチとしてのあり方に対するモデルになるということが挙げられます。あなたのコーチのプレゼンスやコミュニケーションの取り方、また実際にあなたに対して使われるコーチングスキルや様々な局面で繰り出される質問、フィードバックといったものが、紙に書かれたテキストでは得られない生きた教材となります。
この点における収穫は、普通のクライアントとコーチを目指すクライアントとのもっとも大きな差となるかもしれません。
私自身は、実際にコーチングのトレーニングを始めてから自分に対してコーチをつけるようになりましたが、そういう側面においては、あなたがトレーニングを始める前からコーチをつけてみるということもとても大きな意味があります。
それを実際に体験することで「コーチングは素晴らしい」と思えれば、その後の学習モチベーションも高まりますし、学習に臨む前から、コーチングやコーチに対するイメージをより鮮明に描くことができるようになるからです。
また、トレーニングと経験を積んだコーチは、あなた自身の今後の学びについてのモデルとなるだけでなく、随所でメンターとしての役割も果たしながら、コーチとして歩むあなたの人生に対して、力強いガイドとなってくれることでしょう。
どちらにしてもコーチングを学ぶのであれば、一刻も早く、あなたに合ったコーチを見つけることが大切になります。このことが、あなたの今後の学びをもっとも大きく左右する可能性は非常に高いものです。
§3 コーチングをする
ここまで「トレーニング方法を選択する」「自分自身にコーチをつける」という2つのポイントで見てきたわけですが、コーチングを学ぶ上で、最後の、そして、ひょっとしたら最大の難関になる可能性すらあるのが、あなた自身が実際に「コーチングをする」という部分です。
コーチングというものは、基本的に体験を通じて学んでいくものです。実際のクラス進行も、あなた自身の経験をシェアしたり、エクササイズやロールプレイングを行うことが基本となります。
コーチングをテキストだけで学ぶということは、教則本だけで車の運転をマスターしようとすることに似ています。知識として得た、アクセルをこの程度吹かせばこういうスピードが出る、ハンドルをこれだけ切ればこんな風に曲がるということを、実際に車に乗り込んで体験しなければ真の意味では知りえないように、コーチングの学習においても、実際に使用して相手の反応を見ることで、初めてそのスキルを自分のものとすることができるのです。
さらには、どんな小さなことでもいいから、とにかく実際に行動に起こすということこそが、コーチングの核でもあります。そういう側面からも、コーチングを学ぶのであれば、なるべく早い段階で、誰かにクライアント役を引き受けてもらうというチャレンジは有効です。
私自身は、コーチングのトレーニングを始めてから、すぐにクライアントを見つけ出したわけではありませんでした。しかし、今にして思えば、それはその間の学びの質に、少なからず影響があったことを感じます。
クライアントといっても、おそらく最初は、友人や知人といった身近な人々になることでしょう。実際、私自身もようやく頼んだ最初のクライアントの何人かは、知り合いでした。その人々を相手にコーチングの経験を積むことで、最終的には有料のクライアントを取れるようになるまでにコーチングの技術を高めていきました。
私自身がそうだったように、何人かの人々は、きっとそんなあなたに対して喜んで手を貸してくれるのではないかと思います。また、私自身がそうでなかったからこそ、あなたには一刻も早くクライアントを見つけて欲しいと思います。どうせいつか頼むものであるならば、それが早すぎるということはありません。仮免許の時代というのは、誰にでもあるものです。そして、その後は、出会った人々の力を借りながらも、なんとか自分の力で道を切り開いていくことになるでしょう。
もっとも、誰かにクライアント役を引き受けてくれるように交渉をするということ自体、リクエストなどのコミュニケーションスキルを練習する場となります。
「自分はコーチである」ということを意識した瞬間に、ある意味で、私たちの環境はすべてコーチングのトレーニングに適したものとなります。また、それこそが「目的を持つ」ということの真の意味でもあり、そこから徐々に、クライアントを広げていくことができれば、それは必ずあなたにとって素晴らしいチャレンジになることと思います。また、この方面に関しては、やはり自分自身にコーチをつけることで、さらに効果的に前進させる事ができます。
あなたが職場でコーチングスキルを活かすことを考えているにしても、あるいはプロのコーチになるにしても、あなたのスキルがいつまでもペーパードライバーで終わらないために!!
§4 コーチの素養とは
例えば、マラソン選手が100mなどの短距離種目にエントリーしても勝つことができないように、人にはなんにでも向き不向きというものがあります。元々、コミュニケーションの苦手な人が、コーチングをしようとしても、それは種目の選択を間違えたというようなものかもしれません。あなた自身が元々持つ素養というものを大切にしながら、進むべき道というものを決めていくことが重要です。
まずは長所を伸ばすことを考え、必要に応じて足りないものを補うという考えこそが、あなた自身も、そして、周りの人々の幸せにもつながっていきます。ただし、このことはあくまでも「そのことに対する向き不向き」というものであって、その人全体に対する評価ではないということを私たちは心に留めておくべきでもあります。
また、ここではあえて「プロコーチの素養」というものを中心に考えてみることにしますが、それはその分野での高い基準を見通すことで、その分野に対する必要な資質や方向性というものが炙り出されてくるからです。
まず、コーチというものが、人の話を聞くということをその職務だと捉えるならば、もちろん「普段から人によく相談をされていた」ということが挙げられるでしょう。さらには「人と接することが好き」、あるいは「自分の周りに自然と人が集まってくる」、、などは、潜在的なコーチとしての適正についてのチェックポイントになると思われます。
さらに難易度の高い項目としては、「人の気持ちを自然に推し量ることができ」、相手から「私の考えていることがわかるの?」と驚かれた経験があるような人であれば、すでに相当に高いコミュニケーションスキルを備えているといえます。
オリンピックに出るような逸材は、トレーニングを受ける前から、人より走ることや投げることが得意だったりします。同じように、私たちもコーチという存在を意識する前から、その素養を携えているということがやはり最低限の条件となるように思います。
その素養を簡単に推し量るものが上に挙げたような事柄ですが、他にも、コーチングを学ぶ前から「自分を絶えず変化させていくことを厭わない」あるいは「自分をより成長させていこうと日々努力していく」ようなタイプの人が、コーチとしては向いていると感じます。なぜなら、コーチとはただ話を聞くだけという存在ではなく、クライアントに対するモデルという側面も持つからです。
私の場合、コーチを目指す前から、自己管理や人の気持ちという分野に興味を抱いていましたが、それはクライアントのちょっとした生活や仕事上の変化に対して、より自然な目配りやアドバイスができるという形で、今現実にコーチングをする際にとても役立っています。このような目には見えない生活上の興味に基づいた蓄積は、コーチングを学んでから急に身に着けるということは難しい部分です。そういう意味では、あなたが今までにどんなアンテナを使って生活をしてきたのかということも、ある程度“素養”という部分に位置づけられるかもしれません。
また、個人的には人を観察することや、著名人の成功の要因、歴史上の出来事などといった、ナチュラルな形での人間や成功哲学の要素に触れているということも、大きな武器になると感じています。端的にいえば、コーチとは相手を観察すること、そして、人間そのものに対して興味を抱くことで成り立っているからです。
さらには、今挙げたような部分について、時には自分だけでなく、自分を良く知る周囲の人々から客観的にフィードバックしてもらうことも、コーチを目指す上では大切なことです。
自分自身の思う自分の姿と、他人から見た自分の姿というものにはギャップがあることが多いものです。そして、他人の視点というものは、私たちが思う以上に的確なところをついています。
それらのフィードバックに対して、素直に耳を傾けることができるかどうか、、、これが案外、最後のチェックポイントということになるかもしれません。
§5 コーチングをどのように学び続けるか、、
最後に「コーチングを効果的に学び続ける」という部分について触れていきましょう。
これはコーチングに限らずすべての学習に共通する部分ですが、ここを明確に意識できるかどうかで、たとえ同じようなプログラムを経験したとしてもそこで得ることができるものが明らかに違ってきます。誰かに教えられたわけではない。しかし、自分の内側から現れる自然な「気づき」という存在こそが、コーチングにおけるもっとも重要な瞬間でもあります。
「すべての答えはその人のなかにある」
これはコーチングを象徴する、もっとも基本的な考え方ですが、時に楽観的過ぎるという指摘を受けることがあったとしても、このフレーズはやはり非常に示唆に富んでいます。
どんな教材であっても、どんなトレーニング方法であっても、あるいはどんなコーチについたとしても、それが既存のものである限り、そこには必ず足りないものがあり、そして、そこに不満は必ず生まれるものです。しかし、そのような「枠組み」の不足に言及することは比較的容易であって、それよりも大切なことは、それがあくまでも自分を成長させるための道具であり、真の問題は私たち自身が、その「枠組み」を私たち自身のためにどのように利用していくかというところにあります。
その「枠組み」を自分のために発展的なものにすることができるか、あるいは後退的なものにしてしまうかということは、実は私たち自身の手に委ねられているということ。それは厳しい現実ではありますが、同時にとても可能性に満ち溢れた世界でもあります。
「私たちの人生は、そして、人間関係とは、私たちが思う以上に開かれたものである」
コーチングに限らず、これからのあなたがどんなことを学び、どんな世界で生きていこうとも、私は、このことをあなたに対してお伝えしていきたいと思います。成功というものは、あるいは幸せというものは、常に肯定的な思考と創意工夫、そしてなによりも笑顔のなかにこそ宿ります。
あなたの人生が、そして、あなたの学びがどうか素晴らしいものになりますように!